不思議な世界

月 旧暦 5月25日 大安 丁丑 五黄土星 Germund Görel V25 24968 日目

いくら読んでも分からないくせに、科学の読み物を読むのはそんなに嫌ひではない。光とは何か。それは電磁波である、と言はれても質問を言ひ換へたにすぎない。それは粒子であると同時に波でもあるといふ。この世で一番速いものは光であるといふ。光の速さはその光源の運動と無関係であるといふ。結果として、質量とエネルギーとは本質的に同じもので、両者を結ぶ等式の比例定数に光の速さがさりげなく、しかし唐突に顔をだす。光の速さは毎秒30万キロメートルだといふ。マクスウエルの電磁方程式から分かるらしい。光の速さはどんなに速く運動してゐる観測者から見ても一定であるといふ。結果として、ある人から見ると同時に起きた事象が別の人から見ると同時ではないことが起こるといふ。僕らが不変だと思ってきた距離を測る物差しや時間を測る時計は、実は伸び縮みするものらしい。僕らは光の速さから見ると、桁違ひにスローテンポな世界の中で生きてゐるから、その様な変な状況を想像することが難しいが、さういふものらしい。光速に近いスピードで動く観測者から見れば宇宙は僕らが想像するほどには広いものではないのかもしれない。しかし、その宇宙は膨張を続けるのだといふ。また時空は重力によっても歪められるのだといふ。2点を最短で結ぶ線が直線であると思ふが、当事者にはそれが直線のつもりでも重力の元では曲がってゐるのだといふ。あまりにも重力の強い領域はブラックホールと呼ばれ、そこからは光さへも脱出できないといふ。でも、もともと光速の毎秒30万キロメートルといふ量は移動した距離をかかった時間で割った量だ。それぞれの人に相対的な尺度の演算から不変のものが現れる、、、。多分空っぽの容れ物を前提としてそこに座標軸を設定しようとすることに問題があるのだ。同じ事を何度聞いても、時空の構造はやはり僕には理解できない。世界は不思議だ。