高精度GPSの時代

火 旧暦 4月5日 友引 庚辰 二黒土星 Halvard Halvar V20 23471日目

昔は船舶や航空機の電波航法としてはロランやデッカやオメガ航法が主流であった。オメガ航法などはもうこれ以上の航法は考えられないという自負を込めてその呼称にギリシャ文字の最後の文字を冠したという話を聞いたことがある。けれども、かつての最新技術であったこれらの航法でさえも、GPSの発達した現代では過去のものとなりつつある。GPSはもともと米国の軍事技術で、民間に使用させるためにはわざわざ精度を落とすために細工がなされていたと聞いたこともある。ところが日本では独自に測位衛星を打ち上げて、将来は4基の準天頂衛星が日本列島の真上を通過させるようにするのだそうである。精度は飛躍的に向上する。すると計り知れない応用範囲が広まると思う。自動車が何かにぶつかって事故を起こすなどは未開の時代の思い出話になるだろう。日本に自動車が発達した時、交通事故がなかった昔を良き時代と思った人があったかも知れないが、それは技術が未熟であったから事故が起きたので、思うべき良き時代は過去ではなく未来にあると一応は思う。けれども、人間が自動車の運転のやり方を忘れてしまった頃に、何かの拍子でGPSに故障が起きて広域的に使えなくなったら一体どうなるだろう。財産を銀行に預けてWeb通帳だけで管理している人は、ネットワークや電子計算機が広域に破壊された時、どうなるのだろう。その時は僕が今書いているこのブログだってきっと消えてなくなるのであろう。技術の進歩は目覚ましく、このままどこまで行くのか僕にはわからないが、ふと恐ろしいような気もする。