地上のデブリ・天空のデブリ

日 旧暦 4月21日 赤口 甲寅 九紫火星 Robert Robin V23 24226日目

2011年3月の福島の大事故で、原子炉燃料は構造材、制御棒などと一緒にドロドロに溶け、頑丈な圧力容器も溶かして下に落ち、さらにその下部のコンクリートまでも巻き込んで、まるで溶岩の様になって格納容器に広がったと推定される。想像してみればそれはもう悪魔が声を立てて笑ふ様な光景である。この溶岩の様な厄介なものはデブリと呼ばれる。デブリはものすごく強い放射線を出すので処理が非常に大変である。しかし、どんなに大変でもこれは僕らが何年かかっても取り組まなければならない重い課題である。人々が知恵を出し合ってこの困難を克服できれば、やがて寿命を迎へる世界の原子炉の解体技術の先進国になれると思ふ。種類は全然違ふが、デブリは地上にだけあるのではない。宇宙空間を漂ふ宇宙のゴミもまたデブリと呼ばれる。宇宙に飛び交ふ多数の人工衛星はこの宇宙のゴミに衝突して故障を引き起こす恐れが懸念されてゐる。このスペースデブリの除去に乗り出す会社の紹介が二日ほど前の日本経済新聞に出てゐた。アストロスケールといふ会社である。宇宙の掃除は現代の世界共通課題であり、緊急課題でもあるが、日本が率先してこの分野をリードできれば素晴らしいと思ふ。民間人がアイデアを出す点が特に素晴らしい。アストロスケールには是非頑張って欲しいと思ふ。地上のデブリも天空のデブリも20世紀後半になってから人間が生産活動の中で残してしまったものである。この両方のデブリをうまく撤去、掃除、もしくは隔離できて、人の住む空間が綺麗になれば人類の未来は明るいと思ふ。