カバヤナギ君

木 旧暦 3月9日 大安 甲寅 三碧木星 上弦 Valdemar Volmar V16 23445日目

小さい頃から虚弱体質で、運動能力も低く、どこそこの誰かさんが健康優良児に選ばれたという話を聞くと羨ましかった。その上、場所を選ばずにどこででもあまりに良く寝るので、母は僕を連れて町医者へ行き、この子はどこか悪いのではないでしょうかと尋ねることがあった。医者は「そんな子が好きだよ」と言って真面目に診察しようとしなかった。遠足や運動会などの楽しい行事になると決まって病気をした。そんな僕が大きくなってから外国へ行って生活するなんて予想もつかないことだった。同居人と一緒に暮らし始めた時、少し気取って手を口の辺りにやって、「僕は蒲柳の質で、、」と言ったら、「何それ」という感じであった。「こんな字を書くんだよ」と紙に書くと、「ふーん、カバヤナギなのか」と言った。それまでのこの人の人生にとって、「蒲」と言う字は大田区蒲田を表わすためと、うなぎの蒲焼のためだけに用意された漢字であった。それで僕はそれ以来しばらく家では「カバヤナギ君」と呼ばれた。楽しい思い出であるがこの頃何故かちょっと疲れやすくて、「カバヤナギ君」になっている。今日もこれだけ書いたら早く休むつもりである。