お節介

日 旧暦 3月5日 先勝 戊戌 五黄土星 Valdemar Volmar 3 i påsktiden V15 22349日目

予定が全く無い日ほどありがたい日は無い。せっかくの東京で、予定がなければすぐに、親戚に行くとか、昔の友達に連絡するとか、ホテルで仕事をすること以外に何か新しい予定を考えるべきかもしれないが、心を落ち着かせたいために、どんな予定も入れたくなかった。ただ、散歩をしてみたかった。ところがちょっとハプニングがあった。1週間前にスウェーデンからやってきた飛行機の中で偶然会った人がある。僕の席に誰かが座っているので「そこは僕の席ですよ」と声をかけたら、間違っていたのは僕の方であった。そそっかしいことと恥をかいた。ところがその女の人はヘルシンキで乗り継ぎの飛行機を待つ間に僕に声をかけてきて、「初めて日本へ行くので、成田から京都へ行く方法を教えて欲しい」と言う。聞けば、ベトナム出身の人で、博士号をとるために、ストックホルムのカロリンスカ医科大学で勉強していると言う。京都で腎臓学か何かのシンポジウムがあって、それに参加するために日本に行くのだと言う。成田に着いてからの行先が同じ方向であったので、東京駅で新幹線改札口まで付き合ってあげた。あの人も、今頃僕と同じ足止めをされていて、帰りの飛行機の予約のことで問題を抱えているのではないかと気になった。初めての日本に来て携帯電話もなければ、色々と連絡するのも大変であろうと、要らざる老婆心を起こして、大丈夫かと昨夜メールを出しておいた。今朝になって、「明日の飛行機に乗る予定で、今日、東京に向かう。今夜は成田のホテルに入る」という返事が来た。お昼頃、散歩の途中で電話がかかって来たので、東京駅で会って、明日はまず飛行機は欠航になるから、今のうちに次に乗れる最も早い便を予約しなおすべきであると教えてあげた。彼女は状況がそんなに深刻であるとは思っていなかったらしい。航空会社に何とか連絡が取れて、27日の予約を確保できたが、それまでどこかのホテルに滞在しなければならない。彼女は「エーッ!そんなに長く東京に滞在しなければならないの」と事の次第に初めて気がついてため息をついた。今日はもう成田までは行かず東京に留まることになった。余計なお節介であったかと思いつつ、親切の押売ではないつもりだから良いか。こんな休日もあって良いじゃないかと思いなおす。