僕の修行

土 旧暦 12月15日 友引 壬辰 二黒土星 Bodil Boel V4 23363日目

両親と祖母の命日はいずれも1月下旬から2月上旬の間にある。皆、春を待たずに寒い時期に逝った。それで僕はこの時期になるとやや心が重い。父の場合は病気、母の場合は事故であったが、どちらも入院するとひと月もしないうちに亡くなった。父の嗜眠はなはだしく、その命の旦夕に迫った時、母は「どんな形ででも良いから生きていて欲しい」と祈るように言った。まことの言葉であった。だが僕はその言葉を聞いてやや複雑な気がした。重度の障害を持って生き延びた場合、母が介護するとなると大変なことになるのではないのかと思ったのである。僕は仕事をやめて帰郷して母を助けるわけにもいかない。僕の気持ちの中には、もし助からなかったらそれも已む無し、という思いも去来した。その分、助かって欲しいという祈りの力は弱かったと思う。そしてそのせいとは言い切れないだろうが、まもなく父は不帰の客となった。母の最期においても僕は必死でこちらへ呼び戻そうという努力をしなかった。本人たちはどんなにかもっと生きたかったかしれないのにである。薄情な息子であると思う。だが、肉体は消滅しても心は通う、不生不滅、不増不減と僕は勝手に思っている。僕の態度は間違っているかもしれない。そうならいつかきっと僕はその報いを受けることになるだろう。その時に逃げずにしっかりと受ける覚悟を養うことが毎日の僕の修行である。