朝の思い

土 旧暦 11月10日 友引 丁巳 七赤金星 Natanael Jonatan V51 23328日目

朝が来るたびに人は何を思うだろう。生まれてから今日までに僕は23328回の朝を迎えたが、今でも思い出す朝がいくつかある。そのひとつは大学2年生になった時の朝である。1年生のときは学生寮に入っていた。4人部屋であった。同室であった友達の名前を3人とも覚えているが今は連絡しあうこともない。facebookなど捜せば出てくるのかもしれないが、思い出は思い出のままで良い。2年生になってアパートに移った。そこも寮と大差はなかったが、しかし一人だけの部屋であることがとても贅沢な気分がした。新しい生活のすべてがうれしかった。受験のない自由がうれしかった。こう自由が与えられると、不思議と今度は自分の方から勉強してみたい、という意欲が起きるものであることを知った。朝になって目が覚めると楽しくてたまらない。ベッドから起き上がるとうれしさでたちまち神経が全身を統一するような感じがあった。念のために言えば、恋を知ったからではない。あの日々の思い出は今でも僕の宝であり、あの日のような朝を迎えることができたら良いなと社会人になってからも鏡の前で時々思った。ところで僕らの会社は昨日が御用納めであった。といってもむろん、シャンシャンと手をたたく人はいない。お互いに「良いクリスマスを!」と言って別れるのである。別れの後で急に自由と開放感を感じて、今朝の目覚めはあの日の目覚めに近いものがあった。それでこんなことを思い出したのである。