戦争と経済

月 旧暦 9月29日 先勝 丁丑 二黒土星 Konrad Kurt V46 23288日目

日本は終戦直後の焼け野原から半世紀の間に、よくぞここまでと思われるほど高度の経済成長を遂げた。それはみんなが頑張ったからには違いないが、その成長のきっかけを与えたのは朝鮮戦争の勃発であったことも事実である。隣の戦争が僕達の暮らしを豊かにした、と言うと言い過ぎかもしれないが、そういう一面はある。スウェーデンが1960年代に大きく栄えたのも先の戦争で自分は参加せずにおいて周囲が傷ついたからで、これも言ってみれば隣の戦争が経済の成長を促している。現代でもイランの核疑惑をめぐって湾岸諸国は軍備拡張に迫られ、そのせいでアメリカの軍需産業が潤っているとも聞く。一般に戦争が経済を活性化するのは当たり前のことなのかもしれないが、繁栄の陰に殺戮があるとすれば、無反省にそれに便乗して良いものでも無いと思う。ヨーロッパもアジアもアメリカも経済がうまくまわらないと、この先に戦争に向かうことはないだろうかと、僕は漠然と不安なのである。