車はみぎ、人はひだり

日 旧暦 9月28日 赤口 丙子 三碧木星 Mårten Fars dag V45 23287日目

スウェーデンの社会が一番充実していたのは1960年代から1970年代にかけてではないかと思う。僕がスウェーデンに住み始めたのは1980年代の後半であるから、もう充実のピークを過ぎていた。あの時代にスウェーデンが充実していた理由は色々あるかもしれないが、ひとつには第二次世界大戦に巻き込まれなかったことが大きいと思う。色々な産業設備が無傷であったので、戦争で傷ついた国々へ物資を生産して輸出できたのだと思う。戦争をしなかったご褒美に戦後豊かな経済が与えられていると言っても良いのかもしれない。人口の少ない国であるのに、広い国土の隅々にまで立派な道路が完備しているのも、この時代に建設されたものが多いからだろうと思う。昔のスウェーデンでは今の日本と同じように車は左側を走っていた。それが、1967年9月3日午前5時に、右側通行に変わった。日本では返還された後の沖縄が1978年7月30日に左側通行に切り替わっているが、こういう大きな制度の変更が可能であったこと自体、まだ交通量もそれほど多くなかったことを示すのだろうなと推測される。ちなみにスウェーデンでは昼間でも自動車はライトをつけて走る。というか、エンジンを始動するとライトがつくように自動車ができている。それもこの右側通行への移行と同時に義務付けられるようになったと聞いている。ライトがついていれば、確かに遠くからでも、車が近づいてくるのがよく分かるので、交通安全のためには良い規則であると思う。日本では自動車が右側通行になることはこれからも無いと思う。何故って、「車は左、人は右」という七五調に変わる標語を生み出せないからである。