家庭内の怒り

金 旧暦 8月13日 友引 壬辰 二黒土星 Lennart Leonard V39 23243日目

父は穏やかな性格の人であったが、それでも僕の小さかった頃は、ということは父がまだ若かった頃であるが、何かの拍子に激しく怒ることがあった。小さかった僕はそれが怖かった。父がそういう性格であったというよりは、もしかするとあの時代の人たちは皆そういう傾向を持っていたのではないかと思う。「地震、雷、火事、おやじ」という言葉もあった。昔は一般に父親は怖かった。小さい時に、この世には何か怖ろしいものがあるということを知って育つことは悪いことでは無いと思う。家族の間でも優等生のように怒りをこらえて平和に過ごすことは立派なことなのかもしれないが、家庭が遠慮の無いところで、怒りをぶちまけることのできる唯一の場所であったとするならば、相手に向かってそういう感情をストレートに発散しあうことに人間の真実が含まれていた、と解釈することは間違っているだろうか。怒りの発散を社会に持ち込まれて、見知らぬ人からいきなり切りつけられるよりは、はるかに良かったのではないかと思うこともある。