民主党の脱原発宣言

土 旧暦 7月22日 仏滅 壬申 四緑木星 下弦 Alma Hulda V36 23223日目

民主党が「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指すという提言をした。雰囲気が及び腰で、結果がどちらに転ぶにしても頼りない。いざという時のために設備としては温存しておきたいようなニュアンスもある。そう考える人々は、設備の中にひとつのボタンがあって、それさえ押せばいつでも発電所の稼働を始めることができて、もうひとつのボタンを押せば停まる、とでも単純に思っているのだろうか。発電所のような巨大システムは、発電所の人たちはもちろんであるが、業界の多くの人々の協力を得て、運転や保守に関わる日々のたゆまない努力の末に安全が得られるものであろう。そういう人達がいなくなってからの原子炉再稼動は不可能である。一時的で気まぐれな世論に左右されては行く末を誤ると思う。民主党は人気取りのために世論調査の結果を大事にしていることを見せる一方で、もう何年かして放射能騒ぎが収まれば、世論が変わることもあるかもしれない、と思っているフシもある。かつてチェルノブイリ放射能の影響を受けたスウェーデンが2010年までに原子力をやめようと宣言しながらついに実現できなかったように、その時が来てできなかったらその時さ、と思っているフシもある。人気取りをしないで、必要なものならば世論に抗してでも必要なものです、とすなおに言ったらどうか。今のままでは現場における技術の維持さえも将来に向けてむつかしくなるのではないかと思う。弱り目にたたり目で、それはそのまま原子力安全の後退を意味する。原子力規制を中央のお役所でどんなに強化しても安全の向上には何の役にも立たない。各発電所の現場に若い優秀な人間をどんと集められるようなしくみを作るべきではないか。エネルギーは国家なり。原子力は長期的には撤退するものなのかもしれないが、それにしても、撤退の時こそより優秀な人材が必要となることも事実である。