日本航空の上場と東京電力

日 旧暦 7月23日 大安 癸酉 三碧木星 Anita Annette V36 23224日目

経営再建を推し進めてきた日本航空は来週再上場する。2010年2月に上場廃止となってからわずかに2年半。こんなにも早く復帰して来るとは僕は予想できなかった。昔、山崎豊子の「沈まぬ太陽」を読んだことがあるが、巨大組織の体質というものはそんなに容易に変えられるものではなく、多分、誰が再建にとりくんでも同じことじゃないのかな、と僕は悲観的に予想していた。しかし、2年半でここまで来たのは、詳しいことは何も分からない僕にも、すごいことではないかと思われる。日本航空はナショナルフラグキャリアーとしての体面も持っているから、復帰できたことは本当に喜ばしいし、一消費者としては、全日空と良い意味で競合してほしいと思う。昭和の終わりごろに御巣鷹で航空機事故を起こし、結局上場廃止にまで追い込まれた日本航空のかつての体質と、福島第一原子力発電所メルトダウンを起こした東京電力の体質とには、どこか似通ったようなところがあったのではないだろうか。どちらの会社でも末端には多数の真面目な従業員が懸命に努力しているのに、組織の一部に、奢れる人々というか、変に威圧的な人々というか、威張る人々というか、表面的に書類だけで仕事をして実態をみようとしない人々というか、そういう人たちの存在があって、会社の命運を誤らせたことはないだろうか。根拠もないのにそんなことを言っていいのかとも思うけれども、人は誰も順調な道を歩むものは、知らず知らずのうちにそのような誘惑の扉の前に立ってしまうものである。発電所が巨大津波の襲来に耐えきれず、全電源喪失を引き起こしたことは、まさかの盲点をつかれた痛恨の出来事であり、技術的な点で未熟なものがあったことを露呈したけれども、そこだけに事故の原因をさぐっていたのでは、大事な何かを見落としてしまうように僕には思われてならないのである。