空港で

月 旧暦 11月8日 赤口 丁酉 九紫火星 上弦 Lucia Luciadagen V50 22587日目

FINNAIR でスウェーデンに戻った。スト解除直後であるので混むかもしれないと思ったが、むしろ普段より空いていた。とうとう氷点下の国に戻って来た。ルシアの少女を見かけた。雪もある。寒い。だが家に入れば暖かいので、むしろ、昨日までの日本の古い家の方が寒くて暮らしにくいとも言える。スウェーデンへ来ると、バスの中でも電車の中でも平気で携帯電話に向かって大声を張り上げる人がいる。周りの人たちへの迷惑と言えば言えないことも無いが、こういうことが割と公認されているのはやはり人口の少ない国に住む人の特権かもしれない。それにひきかえ、日本は携帯電話のマナーを守りましょうという呼びかけが厳しすぎるのではないかと思う時もある。関空で飛行機の搭乗を待つ間、ラウンジに入ってみた。その隅っこで、受話器をうんと唇に近づけて、小さい声で電話をしてみた。すると何メートルか先に座っていたどこか偉い人で、大きな会社の重役か何かかもしれないと思われる人が、じろりとこちらをにらんだ。ああ、やっぱり僕はしてはいけないことをしたのだなと思った。それでも、やや、納得できないこともある。部屋のあちらこちらには僕よりも大きな声で会話をしている人たちがいる。彼らは二人かそれ以上の人数の声のざわめきである。僕のは一人だけの声、それもうんと抑制をかけた低い声だ。僕一人が静寂を破っているわけではない。携帯電話だけがマナー違反であると目の敵にされるのはどうであろうか。日本ではうっかり独り言をつぶやくこともマナー違反であるのだろうか。