ゆうきちゃんのお葬式

土 旧暦 9月23日 先勝 癸丑 八白土星 下弦 Elsa, Isabella V43 22543日目

ゆうきちゃんは日本人のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれた女の子である。スウェーデンのうんと北の町で今年7月4日に生まれた。けれどもいかなる運命のいたずらによるものであろうか、染色体の組み合わせの問題とかで、むつかしい課題をかかえてこの世に生まれてきた。統計によるとこういう状況では生まれても早い段階で80%は死亡し、1年間生き延びられる確率はわずかに6%というきびしいものであった。けれども両親はその小さな可能性に一縷の望みをつないで、前向きにできる限りの努力をした。つらい思いを心の隅に押しやってお互いに励ましあいながら毎日生きた。日が昇り、日が沈み、北欧の短い夏の夜を経てまた日が昇り、日が沈む。ゆうきちゃんはこうして過ぎた何日かのうちに、この世の光と、音と、お父さん、お母さん、お姉ちゃんの暖かい愛情や声を一身に受けて、感じたものがあったはずである。そしてよく頑張った。頑張ったけれども、お日様が80回ゆうきちゃんの頭の上を過ぎた時、とうとうゆうきちゃんは力尽きて、永い眠りについてしまった。今日はそのゆうきちゃんのお葬式である。遠い町であるので行ってあげられなかったけれども、ここに心ばかりの弔辞を書く。

ゆうきちゃん、あなたの一生は本当に短いものであったけれども、その日々は決して無駄ではありません。多くの人たちが、あらためて命の大切さについて考える日々であったからです。ありがとう。お父さんのブログを読んで僕は涙しました。順序が逆ではないかという嘆き、我が子の死を告げるために、いざその欄に名前を書き込む時の震えるような悲しみが切々と伝わってきたからです。慰めの言葉を知りません。でも僕は、その悲しみがいつかきっと、のこされた人たちに大きな力になってくれる日の来ることを信じています。