愛車との別れ

木 旧暦 2月3日 仏滅 丁卯 一白水星 彼岸入 Edvard Edmund V11 22318日目

同居人の仕事が朝早い日は、その運転する車に乗せてもらって僕も出勤する。職場の近くで降りて仕事場に行くと、いつもより早く仕事を始めることが出来る。それで僕は同居人が毎日でも早い仕事に出てくれればこちらも毎日能率が良いのにと思うことが無いでもない。ところが今朝は車が動かなかった。車庫から半分だけ車体を外に出して僕を待っているので、何をしているのかと近づくと、一度かかったエンジンがかからないという。この車になってこんなことは初めてである。それで今朝は二人でバスで行くことになった。動かなくなった車をどのようにしようかと思案する。午後仕事を早く切り上げて家に帰った。実は新しい車を買うことになっていて、その車は今日にも車屋さんへ取りに行くことができる段取りであったのだが、そのような手続きは週末にした方が良いと思って、今日の予定には入れてなかったのである。同居人が電話で車屋さんに相談すると、動かなくなった車を引き取れと言われても困るね、状況によっては下取り価格が下がることもありうるよ、と言いながらも、車を見に来てくれた。おっさんは、バッテリーが上がってしまうのではないかと思うくらい長い時間、1分以上も続いたかと思う、セルモーターを廻し続けた。そしてとうとう、エンジンがかかった。そういえば点火プラグの交換などやったこともないなと思ったりした。ともかくも車が動いたので、その足で、おっさんの車の後を追うように車屋さんへ行き、急遽、新しい車を受け取ることにした。手続きは短時間ですんで、帰りは新しい車で家に戻った。心残りはこれまで10年間、僕達の足になってくれたこの車を、一度奇麗に磨き上げてやって手放したかったのであるが、そんな暇もなく別れてしまったことである。乗り終えた時の距離計は 217,489km を示していた。