目的地を通り過ぎた飛行機

火 旧暦 9月10日 赤口 乙巳 七赤金星 Sabina V44 22176日目

アメリカで、飛行機が目的地を通り過ぎて飛行を続け、160kmも過ぎてから気づいて逆戻りした、というニュースを見た。パイロット2名はPCに夢中になっていて、目的地上空を過ぎても気づかなかったということである。最近の飛行機は自動で操縦されるものかとばかり思っていたが、そうでもないらしい。二人とも揃って気がつかなかったということもおかしい。水平飛行に移ってしまえば、気流が安定していれば、パイロットは暇になるのであろう。毎日、時間に追われている彼らにとっては、一番大切な勤務時間が、誰にも邪魔されない黄金の私時間であるらしい。ひとつの会社の経営体質というものは、こういう事件に象徴的に現れるものではないかと思う。最近は日本でもベテランパイロットが定年退職することになり、増える航空便数に見合うだけのパイロットの数が不足しがちであると聞く。航空会社各社は、優秀な人材を育てるためにどんな戦略を持つのであろうか。精神的におかしい分子が混ざる危険はないだろうか。経営不振に陥り、将来の安定性も不明瞭なままで優秀な若者を集めることができるだろうか。世の中では一流会社の社員でも社会問題を起こすことがある。その原因の半分は会社の経営体質の問題かもしれないが、残りの半分は、人間として基本的な判断能力を欠いたままに学校を卒業し社会に入ってしまう若者が多いという別の事実もあるのではないだろうか。社員の企業内教育の出発点のレベルが問われるのである。これらの問題は、言葉の能力の低下、直接人とコミュニケーションする力の不足と根源的なところでつながっているような気がする。