台所の怪

木 旧暦 6月9日 友引 丙子 六白金星 Algot V31 22087日目

掃除は僕、炊事洗濯は同居人と、無言のうちに家事の役割分担が決まっている。が、食器洗いはどちらと決まっていない。それで食べた後、目が合った時、どちらかやる気のある方が、「私がやります」と宣言してかかることになっている。今朝は僕が食器を洗った。いつものスポンジが無い。まだそれほど古くなっていなかったので、「あれもう捨てたのかい?」と聞くと、「あら、あなたが捨てたんじゃなかったの?昨日から無かったわよ」と同居人。不思議だ。台所の食器洗い場以外の場所へ食器洗いスポンジを運ぶことなど考えられない。どうやって消えたのであろう。お互いに相手が捨てたものと思っている。スポンジなど無くなっても一向に差し支えないが、無意識に何かをしていることがこわい。自分がどこかへやったことも十分考えられるから、ことごとくお互いに相手の過失を責めない協定になっている。いつだったか、台所のCDプレーヤーのリモコン操作器がなくなった事もあったが、それは最近、同居人がどこかからかまた探し出して来た。それにしても、あのスポンジはどこへ消えたのだろう。多分、昨日ゴミ捨て用のコンテナに投げ込んだ、緑色の生ゴミ用ポリ袋の中に一緒に紛れ込んだのではないかと思う。もっと大事なことを無意識に過失してしまったらどうしよう。ろうそくの火を消したかな、裏のドアをきちんと閉めたかな、薬を飲んだかな、、、これからの僕達に必要なことは、ひとつひとつの行為を、意識を持って、指差確認してかかることである。