冬の往還

日 旧暦  11月 24日 仏滅 乙未 八白土星 冬至 Tomas 4 i advent Vintersolståndet V51 21866日目

朝早くアパートを引き払って空港に向かう。荷物は両手に抱えきれないほどたくさんになってしまった。もっと質素にもっとスマートに旅行したい気もする。機内は比較的すいていた。円高で日本人にとっては海外旅行がしやすい状況ではあるが、その円高は日本の力を示すと言うよりもドルの異常な下落によって相対的にもたらされたものである。世界同時不況のさなかにあっては人は容易に海外に出かけようという気分にはなれないのであろう。Frankfurt に着いたのは午後2時過ぎであった。着陸時には低い雲が手に取るように近いところから垂れ込めて、地平線と雲の間だけが細く長い冬の光を残していた。その光景がなぜか、遥か昔の高校時代、通学の帰りに眺めた冬の夕暮れに似ているような気がした。若い頃を思い出すとどこか元気になる。子供の頃、冬至には南瓜入りのぜんざいを食べる風習があって(冬至粥というのか)、それが僕には楽しみであった。そんなことを思い出しながら Stockholm 行きの飛行機を待った。ここの空港では乗換時の手荷物検査はさほど厳しくも無かった。ドイツの冬の陽は疾く落ちて、乗った飛行機は既に暗くなりかけた滑走路から離陸した。Stockholm に着くと同居人と娘とが来てくれていて空港で3人でしばし話をした。冬至というのに雪も無くさほど寒くも無かった。やがてバスが来たので同居人とバスに乗って帰り、家に着いたのは夜10時半になった。長い一日であった。