野球少年と興ずる

週末になったら急に天気が良くなって、今日は夏そのものになった。朝早くおきて豆腐を作った。といっても、既に粉になっているものに水を加えてかきまぜて煮るだけのことである。ハウス食品のほんとうふ。これは一度生産中止になったのであるが、装いを新たにして再び売り出されているのを最近見つけた。以前のものと少し違うのは、煮詰めた時に前はあたりにプンと良い匂いが漂ったのに、新しいほんとうふには匂いがない。前の方が良かったような気がする。しかし、贅沢は言うまい。あるだけでもありがたい。文句があるなら大豆から作れば良いのである。豆腐は朝早く作らなければ豆腐でないような気がする。豆腐屋は何故皆朝早くから始めるのであろうか。暇が出来たら研究テーマにして論文を書きたい。豆腐が出来た後、同居人がお友達とお泊まり会をするというので、ノルショッピングまで車で送って行った。ついでに先生の家に寄った。先生の息子さんたちが庭でバットを振っている。日本で買ってきたらしい電池駆動のピッチングマシンから10秒ほどおきに玉が飛び出してくる。地表から立ち上がる小さな放物線のその頂点の静止する一瞬をすくうようにして打つのである。僕も打たしてもらった。弱いスピードであるのになかなかむつかしかった。僕も小さい時は野球が好きであったのにな、と思ったりした。帰りはひとりでドライブして帰った。海辺も森も畑も夏の色である。楽しい一日であった。

白雲の 漠とひとひら 麦の秋