ベスビオチャレンジ

2024-02-06 (火)(令和6年甲辰)<旧暦 12 月 27 日>(友引 庚子 一白水星) Dorotea Doris    第 6 週 第 27391 日

 

最近の NyTeknik の電子版に「ベスビオチャレンジ」の記事があった。ベスビオはイタリア・ナポリ近くにある有名な火山の名前である。西暦79年8月、この火山が噴火してポンペイといふ名の都市が滅んだ。1750年に現場が発掘された時、1000冊を超える黒焦げの巻物が見つかった。その巻物を開かうとしても、ボロボロに崩れるばかりで、中に何が書かれてあるかは分からずじまひであった。2023年になって、そこに書かれた文字を解読できたものに賞金を授与すると発表された。これが「ベスビオチャレンジ」である。そして最近、実際に文字の一部が解読されて賞金が授与されることになったと云ふ。巻物を壊さずに外側からスキャンする方法が取られた。オックスフォード郊外にある粒子加速器で明るい光線を生成して巻物をスキャンする。それで非常に高解像度の画像が得られたといふ。得られた画像からインクの痕跡を判読するのは容易ではないが、機械学習の方法でそれが可能になったとのことである。インクとはどんなものであるか、AIに教へ込んで、非常に小さな部分に分けて「ここにインクがあると思ふか」と AI に問ふて判読を進めたのだとか。最終的に AI は手紙のようなものを出力し、それにはπορφύρac と書かれてあった。これは porphyros ギリシャ語で紫といふ意味らしい。この技術を使って解読を進めれば、巻物全体の内容を読み解くことも夢ではないと云ふ。驚くべき技術だと思ふ。これは AI のまことに素晴らしい応用例ではないかと思ふ。この技術を開発したのはベルリン在住の27歳のエジプト人学生 Youssef Nader さんとのこと。

昨日の町での散歩で