幻の「ブルーライトヨコハマ」

2024-01-12 (金)(令和6年甲辰)<旧暦 12 月 2 日>(先勝 乙亥 三碧木星) Frideborg Fridolf    第 2 週 第 27366 日

 

八代亜紀が亡くなって、新聞などで追悼記事を見た。僕は熱烈ではないが、でもファンのひとりではある。彼女自身の持ち歌は「舟唄」「雨の慕情」「なみだ恋」など、もちろんどれも良いと思ふのだが、彼女はレパートリーが広く、ジャズなども歌って、海外でも人気が高いといふ話である。また、他の歌手の歌も結構よく歌ってくれて、これも聞くと惚れ惚れする。思ひだすのは、何かのテレビ番組に出演して「ブルーライトヨコハマ」を歌った時のこと。何かのついでに他のことをしながら聞いたのだが、思はず手を止めて向き直って聞いた。僕の胸にキュンと迫るものがあって、深く胸に刻まれた。音楽とはそもそも一回性のものだが、この時ほどそれを強く感じたことはない。彼女はその時、軽い遊び心で歌ったといふものか、その後二度と八代亜紀の歌ふ「ブルーライトヨコハマ」を聞くことはなかった。spotify のアプリで検索しても見つからなかった。「八代亜紀 ー 日本の名曲歌謡を唄ふ」といふアルバムを聞いてみたが、その中にもなかった。だが、このアルバムでは、聞いた覚えのある昭和の歌謡曲が次々と歌はれて、しんしんと冷える冬の夜に僕は昭和といふ時代をしみじみと感じた。八代亜紀さん、ありがたう。

プールの前の風景