平和は遠い

2023-09-22 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 8 月 8 日>(先負 癸未 二黒土星) Maurits Moritz    第 38 週 第 27254 日

 

戦争があると武器商人は儲かる。人を殺す道具を売って商売することは本来悪いことだと思ふ。だが、人々は「正義のために必要な武器だ」と正当化して武器を売る。現地の人たちが血を流し合ふのを知りながら見ぬふりをして武器を供給する。僕の住むスウェーデンでもこの戦争で儲かってゐる会社がある様な印象を受ける。儲かる商人たちは戦争が続いてほしいと思ふのではないか。日本では1543年に種子島に鉄砲伝来してから戦争の仕方が変はった。けれども、主力武器として、銃が刀にとって代はることはなかった。幕末の内戦では、ヨーロッパ列強は日本に内戦が激化することを期待したかもしれないが、結果的には武器は思ったほどたくさん売れなかったのではないかと思ふ。日本は伝統的に武器の売買によって繁栄する国ではないのだ(それでも戦後の日本の高度経済成長は朝鮮戦争がきっかけになったことは確かだと思ふ)。ここ数年、防衛予算が増え続けることは結局は国のためにならないのではないかと思ふ。ところで、数日前の国連総会ではウクライナのゼレンスキー大統領が演説をした。しかし、戦争を早く終結させたいといふ感じは薄かった。オヤッと思ったのは、ポーランドウクライナへの武器支援を停止すると発言したことであった。これは早期停戦への提案としての発言かなと一瞬思ったのだが、新聞を読むと、ウクライナ穀物が欧州ルートで輸入されるとポーランドの農業が困惑するので、輸入規制したいといふことらしい。平和は遠い。

Nyköping川で