赤いお皿

2023-09-15 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 8 月 1 日>(友引 丙子 九紫火星)新月 Sigrid Siri    第 37 週 第 27247 日

 

歳をとってくると少しづつ身の回りのものを整理したいと思ふ。ところが現実にはものは今でも増える一方かもしれない。ある時旅行先の町で、同居人は一枚の赤い小皿を買った。つい僕は「家にはお皿が何枚もあるのにまた何でそんなものを買ふの?」と小さくぼやいてしまった。同居人は「だって可愛いんだもん」と言った。朝食の時に、同居人はその赤いお皿にパンを乗せて食べる。そしてその都度「このお皿可愛い」と言ふ。同居人は目に見えるもの、耳に聞こえるもの、手に触れるものにいちいち感動する。大事なことだと思ふ。僕はコーヒーカップにしてもフィールミョクルを食べる器にしてもどれだけそれらを愛でて使ってゐるかなと思ふ。毎日の生活で使ふアイテムに対して何の感想も持たないのはモノに対して失礼なことかもしれない。それで、あの日のぼやきに対してかすかな後悔を感じることがある。

今日も短い散歩に出た