外国に住んでみて良かったなと思ふこと

2023-09-12 (火)(令和5年癸卯)<旧暦 7 月 28 日>(仏滅 癸酉 三碧木星) Åsa Åslög    第 37 週 第 27244 日

 

世界の色々な地域へ出かけて行って、その国の人たちのために奉仕する日本人がゐる。偉いと思ふ。僕の場合は単にちょっとした偶然でスウェーデンに移り住んで、定年を迎へるまでなんとか頑張ってきただけである。過ぎてしまへば何でもない様に思はれることも、その途上にあってはいつも不安と背中合はせであった。しかし、結局のところ自分のことばっかり心配して生きてきたのであって、その土地の人たちと一体になって何かをする様なことは皆無であった。だから身を挺して外国で奉仕する人たちに比べれば志はずっと低い。そんな程度の人間が何を書いても虚しいのだが、そんなレベルであることを容認した上で、外国に住んでみて良かったと思ふことはなんだらうかと自問してみる。それは日本人とは、以前思ってゐたほど特別ではなかったなといふ実感を得られたことかなと思ふ。原爆を落とされて戦争で負けたことも影響してゐるのかもしれないが、自分たちは諸外国に比べて劣ってゐるのではないかといふ気持ちがどこかにあった。木と紙でできた家に育ち、人に挨拶する時はお辞儀をする様な風習であるのも、日本だけのお話だと思ってゐたところがある。だが、「こんな考へ方は日本的だから外国では通用しないだらう」と思はれたことも、話してみれば意外に通じることもあった。以前は島国根性だとかネガティブなことばかり思ってゐたのだが、意外と日本ってインターナショナルな部分が基本にあるのではないかと思ふ様になった。だからと言って、変に日本を持ち上げたり賛美するのはむろん厳に慎まなければならないのだが、逆にそんなに卑屈になることもないのだと思へる様になったのは、日本を飛び出したから感じられることなのかなと思ふ。

晴れ間に買ひ出しに行った