電話をする場所

2023-05-07 (日)(令和5年癸卯)<旧暦 3 月 18 日>(友引 乙丑 五黄土星) Carina Carita  第 18 週 第 27116 日

 

同居人はよく一人で散歩をする。道で誰かに会ったりすると、知らない人でも自分から挨拶をする。大抵の人は挨拶を返してくれるさうである。偉いと思ふ。先日も誰かに挨拶をしたら、相手はしゃべることを続けるので、「何でせうか」と近づくと、その人はしゃべりながら耳を指さしたさうである。つまり、イヤホーンを利用してお電話中であったのだ。僕も散歩中に人に会ふと、電話をしながら話す人をよく見かける。中には、通話の相手は誰も居ないのに一方的に喋って、如何にも「私には友達が居るのだよ」と誇示してゐるのではないだらうかと疑ふこともあるが、それはうがちすぎたひがみかもしれない。ある程度以上の人数が行き交ふと、歩きながら電話をすることはできなくなる。まだ仕事をしてゐた頃、東京に出張に行くと、誰かに電話をしたい時に電話をする場所がないことで困ったことを覚えてゐる。結局はホテルに戻って部屋から電話するのだった。昔の公衆電話ボックスは、電話する場所を与へてくれた点で良かったと思ふ。最近の人はスマホを持ってもあまり通話することがない様であるが、それは、電話をする場所がないことも理由のひとつにあるかもしれない。ここスウェーデンの僕の住む町では、散歩中に電話ができる程度の道の混み具合なので、歩きながら話す人は多い。バスに乗っても「通話はご遠慮ください」と言はれることは全くない。場所を選ばずに電話ができる点では、こちらの方が住みやすいかなと思ふ。

Nyköping Teaterparken で