「はやぶさ2」によるリュウグウのサンプル帰還

2020-12-07 (月)(令和2年庚子)<旧暦 10 月 23 日> (友引 甲申 四緑木星)大雪 Angela Angelika   第 50 週 第 26232 日

 

はやぶさ2」が小惑星リュウグウ」の砂を地球に持ち帰り、そのカプセルがオーストラリアの砂漠に無事に舞ひ降りたニュースは、スウェーデンの地方紙 Södermanlands Nyheter でも取り上げられた。その記事には JAXA の人がカプセルをお盆に捧げて持ち歩く写真も載ってゐた。誠に大いなる成果であると思ふ。脳裏に太陽系の全貌を想像してみると、僕らにとって巨大な地球もけし粒ほどの大きさでしかない。その小さな地球から小惑星リュウグウ」に探査機が向かひ、2度着陸し、そのうちの1回は地表にクレータを作って砂を採取し、それをカプセルに詰めて持ち帰ったのだと言ふ。日本のプロジェクトが率いたこの壮挙を僕は国家間の宇宙開発競争のなかに位置付けて欲しくはない。その様な視点ではなくて、この様な壮挙が自分のまさに生きてゐる現代の事象として現実に起きたことに感動を覚える。人は死んでしまへば何も認識できなくなる。どんなに素晴らしい出来事も、またどんなに悲惨な出来事も、つまるところそれらは全て己の認識の中に生起することではないか。自分が認識できなくなれば、歴史はそれでも続くのかもしれないが、その続いていくことさへ認識されずに、もう何もない世界になるのだと思ふ。であれば、今回のサンプル帰還のことも、「自分と関係はないけどすごいね」と言って拍手するだけで終はる気持ちになれないのだ。この現象が、自分の認識の中で起こったことであることにもう一度深く思ひを致したいのである。

f:id:sveski:20201208054917j:plain

今年11月のスウェーデンは史上最暖であったとニュースで見た。今日は大雪。今年もホワイトクリスマスにならないかも。