アトラス彗星

2020-03-28 (土)(令和2年庚子)<旧暦 3 月 5 日> (先勝 庚午 一白水星) Malkolm Morgan   第 13 週 第 25978 日

 

昔の人たちは、日食や月食と同様に、彗星の出現は悪い知らせであると考へた。人間の心理には天上の変化は地上の乱れを暗示するものと捉へる傾向があるのかもしれない。その様な心理を僕は無碍に否定できないのではないかと思ふ。「関係ないよ」と割り切ることができる人にとっては関係がないだろう。しかし「関係があるかもしれない」と思ふ人には関係がある様に思はれる。関係があるのかないのかを決めるのは自然の力ではなくてそれを眺める人の心である。それは迷信とはまた違ふ気がする。話は違ふかもしれないが、例へば大学入試で、答案を提出したその瞬間にもうその合否は決まってゐるのだが、合格発表を待つまでの間は祈る様な気持ちになるものだ。それは非合理的かもしれないが自然な心の働きであると思ふ。祈りとは自分の力ではどうにもならない時の流れに思ひを託す行為であると思ふ。昨年12月28日に一個の彗星が発見された。個人の天文愛好家ではなくて、ハワイの全天観測プロジェクトによって発見された。ATLAS彗星と命名された。それが段々こちらへ近づいて来るといふ。途中で消滅する可能性もあるのだが、5月下旬に最も明るくなる可能性が高いといふ。天文ファンにはまたとない宇宙ショーを見るチャンスかもしれないのだが、どうも僕にはこの彗星にはあまり接近して欲しくない様なことを思ふ。といふのも、全くの偶然であるが、この彗星が発見された時期が、中国で新型コロナウイルスが騒がれ始めた頃であり、それが世界中を巻き込んで猛威を振るふタクトに合はせて地球に近づいて来る様な気がするからだ。また、これとは別に、小惑星 1998OR2 が地球に接近しつつあるニュースも見た。こちらは地球に衝突する可能性のある潜在的に危険な小惑星だが、今回の接近で衝突することはないらしい。だが、これも嫌なニュースだ。ともあれ、何故自分の住む世界はこの様であるのか、それは自分とどの様な関係にあるのか、今回の災厄には一体どんな意味があるのか、毎日そんなことばかり考へてゐる。

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まだ寒いのだが春は近い。