昭和の御世のしごとの思ひ出

2020-03-26 (木)(令和2年庚子)<旧暦 3 月 3 日> (大安 戊辰 八白土星) Emanuel   第 13 週 第 25976 日

 

毎晩、ブログのために机に向かふと covid-19 のことばかり頭に浮かぶ。ひとりでそんなニュースばかり読んでゐると、だんだん心配になって来て、細い心の路地に迷ひ込み、暗い気持ちに落ちていく感じがする。今週ははてなブログのお題が「しごとの思ひ出」であったので、気分を変へるために応募してみることにした。現代はコンピュータなしでは多くの仕事が成立しない。いや、コンピュータがあってもネットに接続されてゐなければ仕事ができない時代である。でも、僕が社会に出て仕事を始めた頃はまだ会社にコンピュータはなかった。ほどなくして世の中にマイコンといふものが登場した。仕事に直接関係はなかったけれども、これからはそんな知識も必要になるのかなと思って、仕事の合間に少し勉強した。今はそれももうすっかり忘れたけれども、マイクロプロセッサのアーキテクチャはどうなってゐるのかといふことにも関心があった。友達から譲り受けた機械は確か NEC の PC8001 といふ機種であった。電源を入れるとベーシック・インタープリタが起動する。プログラムを保存するにはカセットテープが媒体であった。データレコーダを買って外付けで接続して保存した。雑誌でRS-232Cに関する記事を見て、秋葉原で部品を買って、記事の通りにケーブルを自作して接続し、電話回線でパソコン通信をやってみたこともある。やがて、MSDOS の時代が来て、さらに Windows が登場する。かうなると難しくて、もはやコンピュータの中はどうなってゐるのだろうかと疑問に思はなくなった。コンピュータをネットに繋いで使ふことはまだ一般ではなかった。その頃、会社で外国の他社からの技術を仲介して営業する仕事に参加することがあった。お客様のところに説明に行った時、質問を受けたが、当時僕が持ってゐた知識を援用すればある程度説明できる気がしてその場で話を始めたことがある。大事な打ち合はせであったので、部長が同席したのだが、僕の説明はあまりにも当時の会社の業務内容とはかけ離れてゐた上に、僕がいい加減な説明を始めたものだから、部長は心配になって、話の途中に割り込んで来た。それで僕は説明をやめようとしたのだが、お客様の上役の人が「今の話は面白いところなのになぜ遮るのか」と言ってくださって、僕はその後も少しだけ説明を続けた。この時、いっときではあるが、自分の上司よりお客様の上司の方に親近感を持った。そんな思ひ出が今でも蘇ることがある。それから数ヶ月後に僕はその技術の供給元に転職することになったのだが、その時には、自分が会社を辞めることになるだらうなどとは夢にも思はなかった。

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今日も美しい日没を見た。

転職nendo×はてなブログ 特別お題キャンペーン #しごとの思い出

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