仕事とは何だろう

金 旧暦 2月10日 大安 己亥 六白金星 Edvard Edmund V11 24499 日目

会社を定年退職して2年が過ぎた。この2年間に僕は人間にとって仕事とはなんだろうかといふことを思ふ様になった。現役で仕事をしてゐた最中にもそんなことを思はないではなかったが、常に「食べて行くことができなければならない」といふ思ひがあったし、逆に食べていけるなら贅沢は言ってはならないとも思ったから、「今の仕事は自分の適性にあってるだろうか?」、「今よりももっと良い仕事があるのではないか?」といふ疑問を呈することを自分に禁じた。にも拘はらず僕は14年間勤めた日本の会社を辞めて、結果的には海を越えてスウェーデンの会社に転職したのであったけれども、その時にだって、条件を比較検討した上で「これまでよりも良い仕事につけるから」といふ思ひから転職したのでは決して無かった。結果からいふと自分で選び取った仕事には違ひないのだが、心情的には「自分はこれでしか生きられない」みたいな覚悟の方が強かった。数ある選択肢から最良の一つを選びとる状態では決して無かったのである。今、年金といふありがたいものをいただくことができる身になって、しみじみと仕事とは何だろうかと改めて思ふ。疑問を呈することを自らに禁じた若かりし日の自分が果たして正しかったのかどうか、今振り返ってみても答へは分からない。