賃上げの季節

木 旧暦 2月9日 仏滅 戊戌 五黄土星 Gertrud V11 24498 日目

賃上げの季節になった。昔の様にストも辞さないほど勢ひある春闘をこの頃はとんと見かけない。今年も賃上げはある様だが全体に低水準の様に見受けられる。世の中ではマイナス金利であるとか、追加緩和であるとか、経済成長を果たすための模索があれこれ試されてゐる。もう少し経てば今度こそもう少し良くなるのではないかと期待して長い時が流れた。が、結局は本当の意味でデフレから脱却してお金が回る様にはなってないんぢゃないかと思ふ。誰がどんな小手先の対策を施しても、ブレーキとアクセルの踏み加減だけを調整して経済を良くすることはシステム的にもうできない様になって来てゐるのかもしれない。その意味では誰が政権交代しても同じことになると思ふ。貧困層が拡大してゐるといふ話も気になる。自動車の運転はこれから機械がやります、ドローンは空からモノを運びます、ホテルの受付はロボットに任せます、最強のプロ棋士でさへ人工知能に負けました、、、。この様な時代では、子供たちはこれから先、どんなことを勉強して何になりたいかを考へるのも大変かなと思はないでもない。もはや閉塞感の中で下手にインフレを期待するよりは、人々が価値観を転換して、技術の進歩がすごい一方で経済成長としては何もない時代をどう生きるかを考へた方が賢いかもしれない。お金や数字の呪縛から離れて、多分現代の僕たちが忘れかけてゐる人間の本来の生き方を取り戻すことが自衛手段としては価値ある行為になる気がする。高度な技術を駆使した一次産業への回帰などは一つの選択かもしれないとも思ったりする。