散髪

2020-01-24 (金)(令和2年庚子)<旧暦 12 月 30 日> (大安 丙寅 九紫火星) Erika 第 4 週 第 25914 日

 

今月はプールに行くのを控へてゐる。自転車はいつも家の前に停められたままである。夏ならば小鳥が来てハンドルに止まったりするのだが、冬はカラスも来ない。せっかく冬タイヤにしてあるのに、毎日同じところにさみしく停まったままである。この頃は家を出ることがあっても、せいぜいその辺りを歩いてみるだけだから、町はどうなってゐるのかも分からない。その様に閉ぢこもった暮らしはしかし、まことに居心地が良いといふか、僕の性分にはよく合ってゐる。同居人は僕が家に居てブラブラしてゐても嫌な顔ひとつしない。出てってくれないかとも言はない。その点について言へば、最近の世の女たちの、何かと亭主の文句を言ひたがる傾向の中では、良いことと評価できる。そんな同居人も、僕と顔を合はせるたびに、「髪を切って来なさいよ。私が切ってあげようか」と繰り返すので、いちいち返事することの億劫さに耐へ兼ねて、今日は自転車で町まで行って散髪をして来た。初めて行った床屋だった。その前を通り過ぎることは良くあったのに、へーこんなところに床屋があったのか、といふ感じのお店であった。しかし、おっさんのハサミさばきは見事で、料金も安かったし、僕は気に入った。だが、お代を払はうとしたら現金だけだといふので「え、今どき?」とビックリ。街角のATMは軒並み姿を消してゐるし、どうしようかなと思ったら、床屋のそのおっさんは Västerport に ATM があるよと教へてくれた。町のショッピングモールである。行けば確かにあった。ここにはまだATMがあるのかと納得した。そこでお金を下ろした。200 クローネ札か 500 クローネ札のどちらかしか下ろすことができないが、驚いたことに、その機械はお金の預け入れもできる様なのだ。僕がこれまでにスウェーデンで見た ATM は全て現金引き出し専用であった。正確にはATMではなくてキャッシュ・ディスペンサーであったといふべきか。キャッシュレスの時代になって、現金を保有してしまふとそれを使ふ場所がない。そんな不便を解消するために現金預け入れができる様になったのかもしれない。振替などはできない(と思ふ)。ともかく今日は散髪のために町に出てみたことで色々と見聞を広めることができた。

f:id:sveski:20200125055648j:plain

冬の晴れた日の Nyköpingshus