とっさの一言

2019-05-24 (金)(令和元年己亥)<旧暦 4 月 20 日>(大安 辛酉 七赤金星)Ivan Vanja 第 21週 第 25670 日

 

スウェーデンに住んでゐても、頭の中はいつも日本語で生活してゐるので、とっさに出る言葉はいつも日本語である。スーパーのレジでお金を払ふ時、カードを使ふが、支払ひの最後に画面に合計金額が表示されて、それを承認するかどうかを聞いてくる。ボタンは3つあって、緑色は承認、黄色は訂正、赤色は停止である。いつもは迷はずに緑色を押すのだが、その日に限ってフッと頭の中が真空地帯の様になって、気づくと、赤のボタンを押してしまってゐた。手を放す時に「間違へたな」と気づいたのであるが時すでに遅し。僕は「シマッタ」と大声をあげてしまった。日本語だ。静かにレジで並んでゐた人たちの視線が一斉に僕に集まった。刑事が近づいて来て、「君はやはり日本人のスパイだったんだね」といふ展開にはならなかったけれどもヒヤリとした。この日は5日分の食料を買ったので購入点数が多かった。タグを読み取られた商品は皆、コンベアーの下流に行ってしまってゐる。これを全部もう一度上流に戻して読み取り直しをするとなると、お店のレジの人にも後ろに待ってゐる他のお客さんたちにも迷惑がかかってしまふ。それで僕はとっさに「シマッタ」と思ったわけだ。ところが、システムはよくできてゐて、「停止」のボタンを押しても、購入品目のリストがクリアされるわけではなくて、もう一度自分のカードを読み込ませて PIN code を入力するだけでよかったのだ。それを知ってゐればそんなに焦らなかったのだが、、、。新聞記事などでは、高齢者が自動車のアクセルとブレーキを踏み間違へる事件を見ることがある。どうやったらアクセルとブレーキを踏み間違へるかなと思ふほどだが、この日僕がやった間違ひは同じ種類の間違ひではないか。注意しなければ、と思ったことだった。

 

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今日の午後は Stockholm へ行った。