6600万年前の事件

土 旧暦 7月5日 大安 乙酉 九紫火星 Östen V34 25036 日目

悠久たる地球の歴史の上で、約6600万年前に起きた隕石の衝突事件ほど大きなものはなかったかもしれない。人類が誕生する前の大昔の話だが、46 億年の地球の歴史の中では最近の出来事である。恐竜絶滅の原因はこの隕石の衝突によるといふ説が有力とされてゐる。何しろ直径 10 km の巨大な隕石が地球にぶつかって、紅蓮の炎はあまねく天を焦がし、地球全体が黒煙に覆はれ、植物は光合成ができなくなり、たくさんの動物も死に絶えたとされる。メキシコのユカタン半島にある、チクシュルーブ・クレーターがその衝突跡とされてゐる。四方に広がる津波も山を飲むほどの規模であったかしれず、想像するのも恐ろしい光景だが、この様な生物絶滅の大事件の後に空が晴れて、人類が誕生したのは不思議な因縁である。広大無辺の宇宙に地球に似た星が見つかったとニュースで見ることもあるけれども、そこに生命の可能性が示唆されたとしても、この様な奇跡の過去を持つ星が果たしてまたとあるのかなといふ気にもなる。生物の進化には大事件が必須といふことかもしれない。防災は過去の事例に学べと言はれても斯様な事例には為す術もない。最悪の場合を想定しろなどと利いた風なことを安易に口にしないことだ。