消えたバッテリー

木 旧暦 2月12日 先勝 乙未 二黒土星 Torbjörn Torleif V10 24866 日目

昨夕は同居人が仕事の番であった。介護であちこち回る途中に、家に少しの間だけ寄った。ある爺さんのところで小さな血糖値測定器の電池交換がうまくいかなかったから見てくれと、その本体を持って来たのだった。すぐにボタンバッテリー2個の電池交換をしてみると特に問題もなく作動する。時刻修正が必要であったので、それも設定した。「これで良いよ」と本体を渡すと、それを持って同居人は出て行った。間も無く電話がかかって来て、「交換したはずのバッテリーが無いのよ」と言ふ。僕はなんのことか分からなかったが、同居人はもう一度本体を持ってやって来た。それを見ると、本当に、本体からバッテリー収納ケースが欠落してゐるのだった。狐につままれた様な感じだった。バッテリー収納ケースは、新しいバッテリーを載せてパチンと音のするところまで入れたし、動作確認、時刻設定までしたのだから、そんなに簡単に本体から外れることはない筈だ。なのに、爺さんのところへ持って行ったらその部分がなかったと言ふ。同居人は夜遅くしょんぼりして帰って来て「やっぱり無かったわ」と言った。僕の家を出る時にはちゃんと付いてたのだから、わづか 20 分ほど持ち歩く間にバッテリー収納ケースだけが本体から外れて滑り落ちたことになる。果たしてどの様な状況でそんなことが可能であるのか、けふは一日中、色々な状況を推理してみたのだが、どうにも分からなかった。自動車の中も明るい光の中で隅々まで探したが出てこなかった。できればその爺さんのところへ現場検証に行きたかったのだが、僕は関係のない人間なのでそこまではできない。世の中には不思議なことがあるものだ。