映画「ルター」を見る

木 旧暦 1月13日 先勝 丁卯 一白水星 Fanny Franciska V6 24838 日目

町の教会の集会室で映画鑑賞会があったので同居人と一緒に見に行った。「ルター」といふタイトルの映画であった。英語にスウェーデン語の字幕付き。500年前、宗教改革を起こしたあのマルティン・ルターの物語であった。ルターが雷に打たれる場面から始まった。当時の教会は人を集めて地獄の恐ろしさを解き、免罪符を発行して貧民からもお金を集めた。このことに疑問を感じたルターは一般の人々にわかる様に聖書をドイツ語に翻訳する。やがて貧民たちは目覚めて教会を暴力的に破壊する行為に出る。ルターはまるで暴動の扇動者の様な評価を受けることになる。全く不本意な情勢であったが、市街戦が起こり、おびただしい数の死者が出る。宗教改革の現場にかくも血腥い事件があったとは知らなかった。この辺は、現代のシリアなどでの内戦と本質的に変はらないのではないかと思った。ルターは何もルター派を創設せんとして行動を起こしたわけではない。イエス・キリストだって、自分が教祖様になってキリスト教といふ新宗教を興さうとしたわけではない。日本での例を言へば、例へば道元は歴史上、曹洞宗創始者になってゐるが、仏教の一勢力として新宗教を興さうとしたのではあるまい。皆、それぞれの後継者が跡を継ぐうちに、それぞれの流れが自然に出来上がって行ったのだと思ふ。地上のあらゆる宗派は、その創始者の意図を離れてセクト化して行くものならばちょっと寂しいなと映画を見て思った。