黒岩涙香の直筆原稿発見

月 旧暦 1月3日 先負 丁巳 九紫火星 Gunilla Gunhild V5 24828 日目

今日の日本経済新聞の夕刊に黒岩涙香の直筆原稿発見のニュースが出てゐた。僕は全く読書家ではないのだが、まだ若かった頃、ふとしたことから黒岩涙香の書いたものを読む機会があって、面白いと思った。ふとしたことといふのは、NHKラジオのFM放送で「朗読の時間」といふ番組が当時あって、お昼の時間帯の放送番組であったが、その日は勤務時間が変則的だったのか、ともかくその時間帯に駅ビルかデパートに居て、その館内放送でFM放送が流れてゐた様に記憶する。最初は聞き流してゐたのだが、なんだか面白いので、紳士物売り場に立ち止まり、耳を傾けてしまひまでその放送を聞いてしまった。そのあとどうしても続きが聞きたくなり、NHKに電話して出典を聞いて、本屋で注文した本が筑摩書房の明治文學全集47 「鄢岩淚香集」であった。放送されたのはその中の「小野小町論」であった。「貞女は一夫にだも見えず」から出発した、現代でもなかなか読み応へのある本ではないかと思ふ。その黒岩涙香は晩年の欧州旅行の回想記を書いたらしいが、その原稿が高知県で見つかったといふニュースであった。