モノゴイ

水 旧暦 12月28日 先負 壬子 四緑木星 Paul Pål V4 24823 日目

心に悩み事や困り事があってどうして良いか分からない時、僕が育った福井地方では「モノゴイ」と言った。漢字でどう書くのか知らない。標準語で言へば「物憂い」だらうか。形容詞だと思ふが、あまり活用形を聞かない。活用を必要としないほど、それはため息の様について出る言葉であるからだ。主語を必要としない言葉でもある。「シンドイ」は関西の言葉だがそれに形としてはやや近い。あまり活用形を聞かないと言っても「モノゴイ」を否定すると「モノゴネエ」となるし、仮定する場合は「モノゴカッタラ」となるのかな。だからやはり形容詞であると思ふが、形容詞の場合、「ク活用」と「シク活用」があって、ものごとの状態を表す形容詞は「ク活用」、感情を表す形容詞は「シク活用」することが多いとされてゐる。「楽しい」、「苦しい」、「寂しい」など。その分類でいけば、「モノゴイ」も「シンドイ」も「ツライ」も感情を表すから「シク活用」であって欲しい気がするが、さうでないのは、感情の極度の苦しみや思ひやりの否定を連想させる形容詞は、感情を超えてものごとの状態を示すものであると、人は感じたからかもしれない。