です・である・だ

日 旧暦 12 月 19 日 赤口 丁卯 一白水星 立春 Ansgar Anselm V05 25198 日目

今日は立春、何と良い響きだらう。四つの季節に立春立夏立秋立冬とあるけれども、これらのうちでは、立春が最も良い響きを持つ気がする。春を待つ喜びと一つのものであるからかもしれない。今日はその名に相応しい早春の光に溢れた一日であった。日本語に興味を持つ人があって、町で会って話をした。北原白秋の「この道」を例にとって日本語を少し説明してみた。冒頭は「この道はいつか来た道」。名詞で文が終はってゐるけれども、これはその後ろに、(です・である・だ)等が省略されてゐると説明した。と話したところで、これら三つはいつでも互ひに置換へられるかしらとふと思って、さうではないことに気付いた。「あの花は美しいです」と言ふことはあっても、「あの花は美しいである」、「あの花は美しいだ」とは言はない。そもそも形容詞の終止形で文が終はれば、「です」は不要である。どうしても丁寧に言ひたければ「美しうございます」の様に言ふべきだが、会話ではそこだけちょっと敷居が高くなるので、「美しいです」といふ言ひ方が開発されたのだと思ふ。それでも、この言ひ方は、どこかに抵抗があって、僕はなるべく使ひたくない。「です」は話し言葉、「である」、「だ」は書き言葉と言へば良いのだらうか。日本語を説明するのは難しい。