宇治散策

月 旧暦 8月16日 大安 丁未 五黄土星 満月 Lennart Leonard V40 24337日目

ダニエル君は何日か前から日本に来て、東京、藤沢、大磯、神戸などを歩いてゐる。今日は僕の方も出かけて、正午に京都駅で会った。荷物を明日泊まるホテルに預けて、まづ、三十三間堂に二人で行った。1001体の観音像は圧巻であるし、雷神、風神像、観音二十八部衆像など、国宝がズラリと並んで、あそこは日本人としてジンと来る場所である。そして何と言っても、柱間が33もある太い柱の並ぶ建築が素晴らしい。ダニエル君は前にも京都を訪れてゐるがここは初めてであった。そこからは京阪に乗って、宇治へ行った。僕はこれまでに宇治を訪れたことが無かった。「さきがけの勲立てずば生きてあらじと誓える心いけづき知るも」などの歌が思はれる宇治川の合戦、時代が遡って源氏物語の宇治十帖、そして、十円玉でおなじみの平等院。宇治といへばこれらのイメージが膨らむのだが、それを人に説明するのはむつかしい。でも、ともかくも宇治を散策して、満足。さらに中書島伏見稲荷を少し歩いて、今夜は琵琶湖のほとりまで行って湖畔のホテルで泊まった。琵琶湖に美しい満月がかかった。そっと琵琶湖周航の歌を口ずさみたくなる様な夜であった。