ピアノの移動

土 旧暦 5月12日 仏滅 甲戌 八白土星 Selma Fingal V26 24245日目

今日は朝から同居人が仕事に出た。朝から仕事の日は浴室や台所の使用に支障をきたさない様に僕は静かに寝ることにしてゐる。下手な協力や安っぽい挨拶より一人にしてあげる方が親切なのだ。「行ってきます」といふ声が聞こえたので、それから起きて、健康チェック、洗顔、朝食。朝食が終はるとダニエル君が来た。ダニエル君はノルショッピングに住んでゐるのだが、日本語の勉強がしたいと言って時々僕を訪ねて来る。しかし、同居人の生活の邪魔になってはいけないので、同居人の不在の時に来て貰ふ様にしてゐる。今日は日本の映画鑑賞会といふことにして、まだ台所に仮置きにしたままの受像器で「黒部の太陽」のビデオを見た。ダニエル君はこの秋に日本に行くことにしてゐて、旅行の計画のうちに黒部峡谷も見に行かうかとなったので、このビデオを見ることにしたのである。ビデオが済んでから居間の天井に照明をつけてもらったり、カーテンの取付をしてもらったりした。ランチをすませると間もなく同居人が帰って来たので、今度は三人で力を合せて廊下に仮置きしたピアノを居間に戻した。ダニエル君は使はれっ放しであるが、いつもニコニコしてゐる。僕がピアノの一方の隅を持ち上げた時、力が入って不覚にも「プッ」とおならが出てしまった。すると、同居人は大声で喚き立てる、ダニエル君は大笑ひする。どうしてあの人たちはこんなことがそんなに可笑しいのだらう。作業が済んでから三人でケーキを食べてお茶を飲み、ダニエル君はそれから家に帰った。