ダニエル君

土 旧暦 6月13日 赤口 己亥 一白水星 Reinhold Reine V28 24619 日目

久しぶりにダニエル君が来た。ダニエル君の住む町は遠いので、僕の方からはなかなか出かけられない。同居人は今はもう年金生活者になったものの、時々は仕事に出て家に居ないこともあるから、そんな時間帯で君の都合の良い時があったら来ても良いよといふことになってゐる。それで今日の夕方、やって来た。日本語の勉強を少しやるのだが、僕の方から「今日の勉強はこれだけにしよう」と言って勉強をやめても、それから後も結構話し込んで行く。僕の方は愛想もなく紅茶を出すだけで、同じティーバッグを使ってお湯を足すだけだが、一向にそれで良いらしい。僕の方では、もはやこの世に自分を相手にしてくれる人もなかなか得難いので、ふんふんと頷きながら時々できの悪いスウェーデン語で相槌を打つ。ダニエル君は日本が好きなので日本のことを話すことが多い。「日本の森先生はお元気ですか」とも聞いた。「冬に怪我をされて入院されたこともあったけど、今は多分お元気だろうと思ふ」と答へる。話をする場所は台所の円卓である。西に向いた窓の外に見えてゐた雲が晴れて、やや明るい夕焼けになった頃、ダニエル君は帰って行った。時計を見ると9時半頃になってゐた。同居人はそれからしばらくして帰って来た。