カバンの中

日 旧暦 3月1日 先負 乙丑 五黄土星 新月 Olaus Ola 3 i påsktiden V16 24176日目

小さい頃から少年探偵団みたいなのが好きだった。いざと言ふ時、必要な小道具がサッと出てくるのがカッコ良いと思った。「エッ、そんなものまでサッと出て来るの?」それを真似たわけでもあるまいが、大事な七つ道具をいつもカバンに入れて持ち歩く、といふ方針でずっとやって来た。今は文明が発達したから道具の数は七つでは済まないが、七つの意味するものは seven といふより many といふ解釈もある。ともかくその大事なものの定められた位置はカバンの中である。急ぐ場合でもともかくそのカバンさへ持って出かければ大抵忘れ物をすることがない。その代はり、折りたたんだ帽子やらサングラスまで入ってゐるものだからいつも荷物が大きくなる。そしてそれよりも困るのは、コンピューターとか、水泳用具などを持って出かける時は、それ用のカバンといつも持ち歩くカバンと、カバンが二つになってしまふことである。出来ればひとつだけのカバンにまとめて外出したい。しかし、さうするとモノの定位置が変はってしまひ、次回の外出で忘れ物をする原因になってしまふ。それで、最近方針を変更してみた。家に少し大きめの引き出しを用意して、モノの定位置はカバンの中ではなく、この引き出しの中とすることにしたのである。外から帰ったら必ずカバンの中、ズボンのポケットをすっかり空にして、中身の全てをこの引き出しに移す。出かける時は、この引き出しから今回の外出に必要なものだけを抜き取って、その日使ふカバンに入れる。月に一度引き出しを見直し、使はれることの無いアイテムは処分する。世の中の人々はみんなさうしてゐるのかもしれないが、僕にはちょっとしたひらめきであって、これはなかなか良ささうである。出かけるのに少し手間がかかるけれども。