アトフミクラブ

月 旧暦 4月18日 先負 癸巳 六白金星 Beda Blenda V22 23484日目

スウェーデンに来て仕事を始めた頃、会社の電話を使うことは出来たが、例えば日本に電話をする時はその都度交換台に申し込むような制度であった。電子メールはまだ発達していなかった。FAXは感熱紙に印刷されるタイプのものがあった。会社で私用電話を申し込むことは後ろめたくて出来ないし、仕事の用事でそんなに電話をすることもなかったから、結局電話は必需品ではなかった。しかし、たまに日本に電話をすることがあるとかなり緊張した。短い時間で用件を伝えなければならないし、用件は一方通行で終わらないこともある。今日はそちらのお天気は如何ですかみたいな挨拶で始めることも時間の無駄になるのでできない。今から思うと気が小さかっただけかもしれないが、電話は苦手であった。FAXはよく使ったが、原稿を書いたその日は発信しないでおいて、翌日になってから原稿を読み直してみて、それから発信することが多かった。のんびりしていた。こうして毎日書くブログも、一日おいてからアップロードすると少しは校正できてマシになるのかもしれないが、もうあの時代のペースには戻ることが出来ない。原稿も寝かせると鮮度が落ちる気もする。いつからか国際電話もダイヤル直通になり、さらに電子メールの時代を迎えた。仕事の主流は電子メールに移っていった。もうFAXを使うことも無いので、新しい名刺にはFAX番号も印刷されていない。電話で話せば簡単に伝わってしまうことを電子メールで説明しようとするとうまく書けないことってあると思う。しかし、それはやはり書く技術が未熟であるからだと僕は内心で思っている。明治時代の小説家たちは言文一致体を作り出すのに苦労した。今の電子メールの時代には、新しい言文一致体の創造が求められているんだと思う。長いメールを書くと読んでもらえない。簡潔に書かねばならない。明快な内容でなければならない。それにはどうしたら良いだろうか。やはり結論だけ短く書いてアトフミで結ぶのが一番良い。