シリア反政府運動の2年

水 旧暦 2月2日 先負 戊寅 三碧木星 Greger V11 23409日目

新聞記事によると、シリア反政府運動はやがて2年にもなろうということである。東日本大震災から経た年月にほぼ同じである。東日本大震災では死者・行方不明者は約2万人、避難者は約40万人となっている。今なお落着かずに避難している人も多いし、もはや故郷に帰ることを諦めて新たな生活に切り替えた人も多いと思う。本当に大変な事件であった。過去形ではなくて現在進行形であるけれども。ところが、ここで海外へ目を転じてみると、例えば、このシリアである。この同じ2年間に死者7万人、国外流出難民100万人を出している。周辺国の財政負担も増しているという。目と目が合えば殺し合いをしているような感じである。経済再生とか文化振興とかいう課題以前の生存問題を抱えている。この国に安全地帯は無い。少しでも安心に生きるためにはよその国へ逃げないといけないのだ。逃げるのに「さらば故郷」という感慨も無いのではないか。逃げた先でどうやって生きていくのだろうか。こうなるともはや国家の崩壊ともいえるのではないだろうか。こういう国もあることを思えば、震災の被災者に叱られるかもしれないけれども、やはり日本は良い国であると思う。そうして、万葉集とか、古今集とか、源氏とか、新古今集とかを初めとする日本文学の流れというものが何かとてもありがたく思われるのだ。文学なんて何の役に立つの、と聞かれても答えられないけれども、シリアのような国の今ある姿を思えば何かぼんやりと答が見えるような気がする。