一万人の数へ方

2021-02-28 (日)(令和3年辛丑)<旧暦 1 月 17 日> (大安 丁未 八白土星) Maria  第 8 週 第 26315 日

 

昨日のブログに、重盛のもとに兵士が一万人以上集まったと書いた。現代の人口過密の国に住む僕らは、新国立競技場に六万人を収容できることを知ってゐるから、一万人と聞いてもあまり驚かないかもしれないが、当時にすれば大変な人数であったと思ふ。盛國が帳簿をつけたといふが、全員の名前を記したわけではあるまい。もし、全員が整列して、一人づつ順番に「イチ」「二」「サン」と番号を呼び上げて行ったら一万人を数へるのに4時間ほどかかるのではあるまいか。百人ほどづつのグループに分けて並行して似た様なことをしたかもしれない。現実には誰それのもとに兵士何十名、の様な数へ方をしたのかなと思ふ。ほんの短い時間に正確な数字を割り出すのは意外に難しかったのではないかと思ふ。仮に一万人が名刺を持ってゐたと仮定して、10人分の名刺をA4用紙1枚に貼るとすれば、A4用紙は1000枚以上必要になる。キングファイル2冊分くらいか。全員の名前を書き出すのは現実に不可能ではないが、あの状況ではごく大雑把な数字であったと思ふ。東日本大震災では8年後の被害状況で死者15897人であったと聞く。ひとりの死亡診断書がA4 用紙1枚に書かれたとすると、死亡診断書をファイルするだけで、キングファイル32冊になる。大きな数字は、数字だけを眺めても実感がわかないが、その様なことを思ってみると少しは想像がつくかなと思ふ。今はデジタル時代なので、そんなことを思ふ人はゐないかもしれないけれども。

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2月末日。家に閉じこもってゐるのがもったいない陽気であった。