ルシアの日

木 旧暦 11月1日 大安 戊申 七赤金星 新月 Lucia Luciadagen V50 23319日目

スウェーデンの12月の伝統的な行事、ルシアの日である。この日、少女たちは白い衣装を着て頭にろうそくを翳し、サンタルチア等を歌ってお祝いする。ノーベル賞、ルシア祭、アドベント、町のイルミネーション、クリスマス、、スウェーデンの12月は行事も多く、暗い季節の中にもほのかな明るさがある。今日も天気は良かったがひどく寒かった。雪道に自転車をこいでいると、厚いジャケットのどこから空気が漏れてくるというものか、時々新しい肌着を身に着けた時のようなヒヤッとした感じを肌に受ける。深く息を吸い込むと体内に冷気が入り込むのが分かる。それがまた、寒い寒いと言いながら、何とも気持ちが良いのである。手袋をしていてもやがて指先が凍えてくるのでハンドルを握りながらも指先を開いたり結んだりする。終戦後シベリヤ抑留された人たちの苦しみはどんなであったろうと、寒さの中で思ったりする。会社に着くと暖かいのでほっとして自分の幸せをかみしめる。今日はお茶の時間にルシカットとペッパコッカーが出た。窓の外には樹氷が冬の陽を浴びて華のように美しい。しかし短い冬の陽は疾く落ちて、お茶の時間が終わる頃にはあたりはもう夕闇に包まれる。日本を遠く離れてこんな12月を何回迎えたことだろう。今ではインターネットで瞬時に世界中とつながってしまうが、何年か前までは深く閉ざされた北欧の12月であった。それは今よりもしんみりとしていて、もっと味わいが深かったような気がする。