お施餓鬼会

日 旧暦 5月5日 先負 丙辰 二黒土星 Johannes Döparens dag V25 23147日目

スウェーデンの暦では洗礼者ヨハネの日とされている。新約聖書にはイエスが洗礼を受ける場面が出てくる。それを授けたバプテスマのヨハネの誕生日、ちょうどクリスマスの半年前にあたるが、夏至祭と並んでスウェーデンの歳時記のようになっている。この日僕はまた日本に居るが、菩提寺で「お施餓鬼会」という行事があったので、出てきた。墓地料などの年会費もこの日に収めることになっている。移動ばかりしていると、ある安定と落ち着きの中で、先祖をまつるようなことはできない。それで、このような機会に日本に居ればなるべく出るようにしている。一時間ほどの読経の行事の後で、法話があった。坊さんは色即是空とか、懺悔滅罪とか、お経の文句をいろいろ解説してくれるので興味を持って聞いた。敦盛を討った熊谷直実の後悔とその救いのような話もあった。敦盛といえば青葉の笛だなと思っていたが、その坊さんが袂から取り出したのはハーモニカであった。音楽の好きな坊さんらしい。「夕焼け小焼け」と「夏は来ぬ」をひいてくれたが、情感がこもっていて耳に快い演奏であった。「お施餓鬼会」は本当はお盆のころにするものではないかと思うが、色々な事情で時期を早めているのだと思う。僕が小さい頃はお盆の終わりに裏の川へ行き、灯篭を流して先祖を送るようなことを毎年やっていたが、いつの間にかあのような風習も途絶えてしまった。自分が今、ここにいることの意味をたまには考えてみたいと思う。