単位の話

月  旧暦9月21日 大安 乙巳 七赤金星 Antonia Toini V42 22895日目

昔は相撲取りの体重は何貫という風に表わした。今は何キログラムという。一寸の虫にも五分の魂などというが、1メートルの蛇にも50センチの魂とは言わない。昔は単位の呼び方にも詩があった。高校時代に理科の勉強をした時はCGS単位系で学んだように思うが、いつからかそれがMKS単位系に代わり、現代はSI単位系が使われている。CGSというのはセンチメートル(cm)、グラム(g)、秒(s)の頭文字で、これにより、距離、質量、時間を表わそうとしたのである。MKSというのはメートル(m)、キログラム(kg)、秒(s)の頭文字である。いずれも力学の単位系であるが、これに電磁気学などの単位が加わり、国際単位系としてSI単位が採用されるようになって久しい。SI単位に変わったことで、天気予報で、台風の中心気圧は何ミリバールと言われていたものが、何ヘクトパスカルと言われるようになった。力学系に限ればSI単位もMKS単位も基本は同じである。時間の単位秒は、天体の動きなどから決めていたと思うが、今は原子の出す放射線の周期を基にしている。長さの単位メートルは、地球の周囲の長さから決めていたと思うが、今は電磁波の波長を基にしている。質量の単位キログラムについてはパリにあるキログラム原器に基づいて決められているのであるが、最近、これも原子の個数による定義か何かに変わろうとする動きがあるそうである。