「反省」と「自己批判」

水 旧暦 7月16日 仏滅 丁未 二黒土星 満月 Lovisa, Louise V34 22478日目

僕らが若かった頃、「自己批判」という言葉がはやった。「反省」とどこが実質的に違うのかよく分からなかったが今なら分かるような気がする。自分の行いを声に出さずに省みることを反省という。口にした反省は自己批判となる。「私は反省しようと思っているのです」という言葉が口をついて出たら、その瞬間からその反省は本物でなくなる。僕はブログを始めてから、そこに時々反省めいたことを書き込むことがあるが、あれも書くだけでうそっぽくなって力が失せるものである。でもそれを避けるとなるといよいよブログには何も書くことがなくなってしまう。本当の反省は誰にも察知されずに進行するものであり、誰かに知られた瞬間からもはやそれは反省とならない。反省のない人はうすっぺらで魅力が無いと日頃思っている反面で、もしかすると反省も無く厚顔に開き直る人間の方がいっそ罪は軽いかもしれないぞと思うこともある。反省を口にしていないことが審美上の要求にかなっているからである。