王女のご成婚

土 旧暦 5月8日 赤口 庚子 四緑木星 上弦 Gerumund Görel V24 22411日目

ビクトリア王女のご成婚とあって、スウェーデンでは国をあげてのお祭りの日であった。六月の空はからりと晴れ上がって、暑からず寒からず、皇室の晴れの行事にまことにふさわしい一日となった。途中、馬車やボートによるパレードもあって、ストックホルム市内は人で埋め尽くされた。空にはジェット機が美しい編隊を組んで飛来した。道路交通規制がしかれて、その代わり、電車の利用が無料となる計らいもあったようである。スウェーデンでは最初にお生まれになった皇子もしくは皇女が王位を継承することになっているので、ビクトリア王女は次の時代の女王となられるお方である。それでいちだんと今日の行事が大きな意味を持つことになる。この半年の間、記念切手も発行されたし、今日の日のことが新聞に載らない日はなかったほどである。僕は家にいて夕方ちょっとだけテレビを見た。ちょうど王宮で晩餐会が始まるところであった。アパートの隣人には家でテレビを見るのにさえ、正装して見る人もいるほど、みな今日の行事を身近な関心を持って見ている。晩餐会には、たくさんの国からの皇族の姿が見えて、次々にカメラに収まる優雅な装束が圧巻であった。その中には日本の皇太子殿下のお姿も見えた。こうしてテレビの中に延々と夏の宴が続いていた。空はまだ明るい。